枝を落としたあと、幹に残った切り口をどう保護するか。盆栽の癒合剤(ゆごうざい)は、切り口を覆うための資材です。この記事では、切り口の大きさと樹種に合わせた選び方、カットパスター3種類の特徴、使い方を紹介します。
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癒合剤の用途 / 選び方 / 3種類の特徴 / 使い方と保管
癒合剤の用途:枝を切ったあとの切り口を保護する
盆栽では、太い枝を抜いた跡や、コブ切りで突起を取り除いた跡などに癒合剤を使います。露出した切り口を覆い、保護するのが役割です。細かな芽摘みの切り口まで一律に塗るのではなく、樹種や作業内容に応じて使います。
切り口は、周囲から新しい組織が発達して覆われていきます。盆栽でいう「肉巻き」です。その進み方は樹種、樹勢、傷の大きさ、剪定時期などで変わるため、癒合剤を塗れば必ず早く塞がるというものではありません。
切り口を覆う資材と、殺菌剤の違い
今回紹介するカットパスターは、樹脂を使った切り口の被覆材です。一方、トップジンMペーストは殺菌成分を含む登録農薬で、使用できる樹や目的、時期、回数が定められています。病気が疑われる場合は、傷を覆う前に必要な処置を確認し、薬剤はラベルに従って使用してください。
癒合剤は切り口の大きさと樹種で選ぶ
小さな切り口にはペースト、広い切り口には形を整えるタイプ
小さな切り口には、少量を取り出して広げやすいペーストが便利です。枝抜き跡のように広い切り口や、くぼみのある部分には、必要量を取り分けて密着させるカットパスターHiが選択肢になります。Hiは小さな切り口にも使えます。
メーカーは、1〜2cm程度の切り口にはペースト単独、大きな切り口にはHiとペーストの併用を案内しています。これは製品を使い分ける目安で、癒合剤が必要になる切り口の大きさを一律に決める基準ではありません。
Hiは松柏用・雑木用を樹種に合わせて選ぶ
カットパスターHiには、松柏用(緑のふた)と雑木用(白のふた)があります。松・真柏などには松柏用、モミジ・ケヤキなどには雑木用を選びます。幹肌になじむ色で切り口を保護できるように分かれており、基本の役割は共通です。今回の松柏用は、販売店では「松柏・さつき用」と表示されています。
ペーストは松柏・雑木共通です。容量は育てている本数と作業量に合わせ、少量の作業なら小容量から選べば十分です。
カットパスター3種類の特徴
ここでは、ハナゲンのペースト50gと、Hiの雑木用・松柏用190gを紹介します。
| 製品 | タイプ・容量 | 主に選ぶ場面 |
|---|---|---|
| カットパスターペースト | 塗るタイプ・50g 松柏・雑木共通 | 小さな切り口に少量ずつ塗る |
| カットパスターHi 雑木用 | 形を整えるタイプ・190g 白のふた | 雑木の枝抜き跡などを保護する |
| カットパスターHi 松柏用 | 形を整えるタイプ・190g 緑のふた | 松柏・サツキの枝抜き跡などを保護する |
カットパスターペースト50g

少量ずつ取り出して切り口に広げる、松柏・雑木共通のペーストです。小さな剪定跡に塗りやすく、枝の間の狭い場所でもヘラなどで塗る範囲を調整できます。
カットパスターHi 雑木用190g

白のふたが目印の雑木用です。必要量を取り分けて形を整え、切り口へ密着させます。雑木の枝抜き跡や、コブ切りで整えたくぼみのある切り口を保護したいときに選べます。
カットパスターHi 松柏用190g

緑のふたが目印の松柏用です。雑木用と同様に、切り口の形に合わせて密着させて使います。松・真柏などに使うタイプで、今回の購入先ではサツキ用としても案内されています。
癒合剤の使い方と保管
1. 切り口を整え、付着物を取り除く
樹種と樹勢に合う時期に枝を切り、必要に応じて残った突起を整えます。切り口に付いた木くず、苔、土などは清潔な道具で取り除き、塗るために傷を余計に広げないようにしましょう。古い傷では、新しく発達した組織を傷つけないよう注意します。
2. 切り口を覆い、隙間なく密着させる
ペーストは清潔なヘラなどで切り口に広げます。Hiは指を少し湿らせて必要量を取り、切り口の形に合わせて押さえます。端に浮きや隙間がないか確認してください。
大きな切り口では、Hiを密着させたあと、ペーストを重ねて隙間を塞ぐ方法が案内されています。塗る範囲や厚さは、製品の説明に従いましょう。
3. ペースト塗布後は雨・水やりに注意する
カットパスターペーストは水溶性のため、塗布後3〜4時間は雨や散水を避けます。Hiと併用した場合も同様です。作業前に鉢土の状態を確認し、水やりの時間と、雨を避けられる置き場所を確保しておきましょう。
4. 切り口の状態を観察し、使用後は密閉して保管する
その後は、被覆材の浮きや切り口の露出、周囲の変色がないか観察します。肉巻きの状態を確かめるために無理に剥がすと、新しい組織を傷つけるおそれがあります。除去や塗り直しは、傷の状態と製品の説明に合わせて判断してください。
使い終えたら容器の口元を拭き、ふたを確実に閉めます。取り出した材は容器に戻さず、子どもの手の届かない場所で、表示された条件に従って保管してください。ペーストの出口が詰まったときは、強く押して無理に出さないようにします。
製品の詳しい使い方は、ハナゲン公式のカットパスター使用案内でも確認できます。




